「たま」という奇跡のバンド

音楽
左上から時計回りに、知久 寿焼(ちく としあき)、柳原 幼一郎(やなぎはら よういちろう)、
滝本 晃司(たきもと こうじ)、石川 浩司(いしかわ こうじ)。敬称略。


今回は、僕の大好きな音楽バンド「たま」について書きたいと思います。


「たま」には思い入れがあり、いつか自分が「たま」について思っていることを

文章にしてみたいと考えていました。

すでに多くの方が「たま」についての記事を書いており、今さら感はありますが、

妻の勧めもあって書いてみることにしました。


予想してたよりかなり長い記事になってしまいましたが、

最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。


  1. 「たま」の結成とその軌跡について
  2. 「たま」のそれぞれのメンバーについて
    1. 柳原 幼一郎(やなぎはら よういちろう)
    2. 知久 寿焼(ちく としあき)
    3. 滝本 晃司(たきもと こうじ)
    4. 石川 浩司(いしかわ こうじ)
  3. 「たま」のこの曲が好きすぎる!
    1. 柳原さんのこの曲が好き!
      1. 4位 たかえさん 【収録アルバム:『犬の約束』】
      2. 3位 オリオンビールの唄 【収録アルバム:『ひるね』】
      3. 2位 さよなら人類 【収録アルバム:『さんだる』】
      4. 1位 満月小唄 【収録アルバム:『きゃべつ』】
    2. 知久さんのこの曲が好き!
      1. 4位 方向音痴 【収録アルバム:『さんだる』】
      2. 3位 金魚鉢 【収録アルバム:『ひるね』】
      3. 2位 らんちう 【収録アルバム:『さんだる』】
      4. 1位 鐘の歌 【収録アルバム:『ひるね』】
    3. 滝本さんのこの曲が好き!
      1. 4位 夏の前日 【収録アルバム:『犬の約束』】
      2. 3位 むし 【収録アルバム:『ひるね』】
      3. 2位 海にうつる月 【収録アルバム:『ひるね』】
      4. 1位 空の下 【収録アルバム:『空の下』】
    4. 石川さんのこの曲が好き!
      1. 4位 まちあわせ 【収録アルバム:『まちあわせ』】
      2. 3位 ウララ 【収録アルバム:『ひるね』】
      3. 2位 カニバル 【収録アルバム:『そのろく』】
      4. 1位 学校にまにあわない 【収録アルバム:『さんだる』】
  4. 「たま」のその後
    1. 柳原さんのその後
    2. 知久さんのその後
    3. 滝本さんのその後
    4. 石川さんその後
  5. 最後に イラストレーター羊子さんの紹介

「たま」の結成とその軌跡について

「たま」のことをよく知らない、もう忘れてる、という方もいらっしゃると思いますので、

「たま」の結成から解散までの軌跡を簡単に追ってみたいと思います。


敬称を省略させていただきますが、「たま」のメンバーは、


柳原 幼一郎(やなぎはら よういちろう)

知久 寿焼(ちく としあき)

滝本 晃司(たきもと こうじ)

石川 浩司(いしかわ こうじ)


の4人になります。


1995年の柳原さん脱退後は、鍵盤楽器担当のサポートメンバーとして

斉藤哲也さん、ライオン・メリィさんなどが参加することになります。


時は1981年、当時大学浪人生の石川浩司さん(以下、石川さん)と、

当時高校生の知久寿焼さん(以下、知久さん)は、東京都足立区の北千住にある

「甚六屋」というライブハウスで出会い、意気投合します。


その後、1982年に知久さんと柳原幼一郎さん(以下、柳原さん)が出会い、

3人で活動する機会が増えました。

この頃、石川さんはゴミ捨て場で偶然スネアドラムを拾い、ギターをスネアドラムに持ち換え、

名パーカッショニストへの道を歩み出すことになります。

もはや「たま」の象徴とも言える石川さんのパーカッションテクニック&パフォーマンス。
みんなで気ままに音楽を楽しむ「たま」をそのまま体現しています。
少しだけ在籍していた「芸能山城組」で培った太鼓の基本がここで活きてくるという奇跡。
※画像はイメージです。実際の楽器とは関係ありません。


そして石川さん、知久さん、柳原さんの3人でバンドを結成することになり、

初期メンバーによる「たま」が誕生することになります。


1986年、「Closed.G.Show」というバンドを組んでいた滝本晃司さん(以下、滝本さん)が、

たまと共演することになり、その時にたまの音楽に衝撃を受けます。

ちなみに滝本さんのニックネームの「Gさん」は、「Closed.G.Show」という

バンド名に由来しています。


この年の夏のツアーを終えた後、新しいことに挑戦する意欲に燃える柳原さんは、

石川さんと知久さんに、「たま」を抜けて新しい活動をしたいと打ち明けました。

なんとか柳原さんの「たま」脱退を防ぎたい知久さんは、説得・慰留を続けました。

バンドにベースを弾ける人が加入するなら、脱退は思いとどまるという柳原さんの提言を

受けてメンバーを募集した結果、応募してきたのが滝本さんでした。


「たま」と共演してからすっかり「たま」のファンとなってしまった滝本さんは、

「たまはすでに3人で完成されている。

ここで変なベースが入ってきてせっかくのいい形が壊れてしまうのが嫌だった。

だからいっそのこと、自分が入ってこの形を壊さないようにしようと思った」

と、後にメンバーたちに語ったそうです。

もともと高い音楽性を持つ「たま」のサウンドに、さらに厚みをもたらすベースを導入!
※画像はイメージです。実際の楽器とは関係ありません。


1987年、柳原さん、知久さん、滝本さん、石川さんの4人編成による

最高形態の「たま」がついに活動を開始します。

柳原さんはアコーディオン、知久さんはマンドリンを新たに導入、

石川さんはパーカッションの種類を増やし、自身のトレードマークとも言える

ランニングシャツを身にまとうようになります。

「たま」らしいサウンドの代表格がアコーディオン。
「たま」が持つメルヘンチックかつノスタルジックな世界観の演出に大きく貢献しています。
※画像はイメージです。実際の楽器とは関係ありません。
これまた「たま」らしいサウンドの代表格の一つ、マンドリン。
愛らしく、心の琴線に触れてくるような音色が好きです。
滝本さんのベースの低音と知久さんのマンドリンの高音との絶妙なバランスが素晴らしいです。
リコーダーや鈴はもちろん、木桶や空き缶など、気に入った音が出るものなら何でも取り入れて、
それを「たま」サウンドに昇華させてしまうのが石川さんのスゴいところです。


そして運命の1989年11月11日、「たま」は「三宅裕司のいかすバンド天国(以下、イカ天)」に

出場し、その唯一無二の音楽で聴く者全てを仰天させたのでした。

1990年には第41回NHK紅白歌合戦への出場を果たし、

社会現象的な人気バンドへと成長していくのでした。


その後は、マスメディアへの露出を減らしつつ、精力的に活動を続けていきます。


1995年には、自分の音楽の可能性を広げたい柳原さんが脱退して、ソロ活動を始めます。

残った知久さん、滝本さん、石川さんの3人+サポートメンバーという編成(通称「3たま」)に

なりながらも、「たま」はこれまでと変わらず、自分たちの音楽をやり続けます。


そして2003年、多くのファンやミュージシャンたちに惜しまれつつも、「たま」は解散します。



ここまで「たま」の結成から解散まで、その軌跡をざっと追ってみました。

詳細については、石川さんが書いた『たまという船に乗っていた』をぜひお読みいただきたい

ところではありますが、あいにく絶版となっています。


しかしながら、毎日「たま」のことばかり考えているという漫画家、原田高夕己先生によって

漫画化された、『たまという船に乗っていた さよなら人類編』の単行本が

発売されていますので、こちらをお読み下さい。

藤子不二雄Ⓐ先生バリのタッチでユーモアたっぷりに描かれる

「たま」の活躍に、時間を忘れるほど引き込まれます。

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「たま」のそれぞれのメンバーについて

それぞれのメンバーに付いてる肩書きは、4人編成の「たま」(通称「4たま」)最後のライブ、「たまのお歳暮’95」の
『らんちう』の間奏にて、柳原さんがメンバー紹介した時のものです。
間奏では最後の挨拶をする予定だったのをメンバー紹介でスルーしようとしたので、もう一度やり直させられました😄

「たま」は、それぞれ趣味も考えていることもスタイルも全く違うけれど、

好きなことしかやりたくない、そしてその好きなことをどこまでも追求していきたいという

ある意味同じ情熱、価値観を持ったメンバーの集まりだと思っています。


一人では抱えきれず、時に押しつぶされてしまいそうでも、同じ情熱、価値観を持つ

「たま」の一員として活動し、持てる力を相乗効果的に高め合うことで、

最高の音楽を作り、最高の演奏をし続けることができたのだと思います。


メンバーのそれぞれ一人一人が作詞・作曲をこなし、ボーカルを取りながらも、

みんなで意見を出し合いながらみんなで一つ一つの曲を完成させていくという、

そのスタイルからも窺い知ることができます。


ここではメンバーの一人一人を取り上げて、その魅力に迫ってみたいと思います。

柳原 幼一郎(やなぎはら よういちろう)

  • 楽器:ボーカル、オルガン、アコーディオン、ピアノ、キーボード 鍵盤ハーモニカ、ギター
  • 本名:柳原 陽一郎(やなぎはら よういちろう)
  • 愛称:やなちゃん
  • 出身地福岡県福岡市
  • 生年月日:1962年8月5日
  • 星座:獅子座
  • 血液型:B型
  • 特技:二枚目の顔
  • 好きな作家:埴谷雄高

「たま」最大のヒット曲、『さよなら人類』のボーカルを務めている印象が強く、

「たま」の顔的存在だった柳原さん。


本人曰く、「ピアノを習ったことがない」とのことですが、多彩な鍵盤楽器を操り、

特徴的な「たま」のサウンドの大きな部分を担っていたのは間違いないです。

真剣な面とおふざけな面を巧みに使い分け、知久さんとのコーラスはまさに芸術でした。

ライブのMCも務め、演奏やパフォーマンスの前面でメンバーを引っ張っていました。


柳原さん脱退後は、前述したようにキーボード担当のサポートメンバーが参加していましたが、

当然のごとく柳原さんボーカル担当曲は歌われることはありませんでした。


しかしながら、2003年10月31日、吉祥寺スターパインズカフェで行われた、

「たま」最後のライブ、「たまの最期!!」最終日。

酔っ払って飛び入り参加したホフディランのワタナベイビーさんが突如、

「僕はどうしてもこれがやりたい」

と、ピアノで『さよなら人類』のイントロを弾き始めて会場は騒然になりました。

知久さん、滝本さん、石川さんは半ば呆れたように仕方なく『さよなら人類』を

演奏することになりましたが、3人とも笑顔で嬉しそうでした。

知久 寿焼(ちく としあき)

  • 楽器:ボーカル、ギター、マンドリン、ウクレレ、ハーモニカ、鼻笛
  • 本名:知久 寿明(ちく としあき)
  • 愛称:ちっくん
  • 出身地:埼玉県川口市
  • 生年月日:1965年2月10日
  • 星座:水瓶座
  • 血液型:A型
  • 趣味:昆虫採集(特にツノゼミに造形が深い)
  • 特技:イラストや絵を描くこと(たまのCDジャケットイラスト、絵本の挿絵など)
  • 好きな作家:萩原朔太郎、夢野久作

「地味なテンポでさびしい歌ばかりうたう」を自称する知久さん。

独特な歌声と高い演奏力を持つ、柳原さんと同じく「たま」の顔的存在です。


「イカ天」初出場時には、ダブダブのチョッキに半ズボン、下駄履き、おかっぱ頭で

リーダーとして登場し、三宅裕司さんとのシュールなやり取りの後、独特な歌声で

『らんちう』を歌い上げるその姿に、見る者全てが度肝を抜かれました。


途中、柳原さんが脱退して一番ショックだったのは知久さんだったかもしれません。

初期の3人編成時代にも脱退しようとした柳原さんを必死に止めたのは知久さんでした。

柳原さんが「たま」にとっていかに大きな存在で、柳原さん×知久さんの相乗効果がいかに

「たま」の推進力になっていたか…。


最後のライブで『さよなら人類』を演奏した時、一番楽しそうにしていたのは知久さんでした。

滝本 晃司(たきもと こうじ)

  • 楽器:ボーカル、エレクトリックベース、コントラバス、ギター、トイピアノ、ピアニカ
  • 愛称:Gさん ※知久さんにより命名
  • 出身地:東京都町田市
  • 生年月日:1961年12月7日
  • 星座:射手座
  • 血液型:AB型
  • 趣味:すべり台研究(全国各地の公園のすべり台を写真に収めている
  • 好きな作家:筒井康隆
  • 好きな漫画家:つげ義春(石川さんからの影響)

甘いマスクと甘い歌声が特徴で、その静かな物腰で淡々と演奏する様により、

動きの多い他の3人とはまた違う存在感を持つ滝本さん。


時折り見せる天然ボケな一面と、その風貌から発せられる、ロマンチックかつ静かな狂気を孕んだ

数々の曲は、多くの女性ファンを虜にしているようです。


当時TMNにガチハマりで、「たま」を小バカにしていた友人にアルバム「ひるね」を貸したところ、

「この滝本って人の曲、マジですげえな…」

と、返してもらう時にその友人が真剣な顔でボソリと呟いたのを今でも覚えています。


最後のライブで『さよなら人類』を演奏した時は、久しぶり過ぎて滝本さんは間奏パートを

忘れてしまい手が止まってしまいました。

知久さんと石川さんにイジられながらも教えてもらい、演奏する滝本さんは楽しそうでした。

石川 浩司(いしかわ こうじ)

  • 楽器:ボーカル、パーカッション、リコーダー、ギター、鈴、玩具(蝉笛など)
  • 愛称:たまのランニング ※ダウンタウンの松本人志さんにより命名
  • 出身地:群馬県前橋市
  • 生年月日:1961年7月3日
  • 星座:蟹座
  • 血液型:B型
  • 趣味:コレクション(インスタントラーメンの袋や空き缶集めは、後に書籍化
  • 好きな漫画家:つげ義春、赤塚不二夫、とり・みき、吉田戦車、他多数

短髪とランニング姿が印象的な、実質的なリーダー的存在とも言える石川さん。


ライブでの演奏中は、とにかく動いて数々のパフォーマンスでお客さんを喜ばせ、

とても楽しそうに演奏し、歌うその姿は見ていて飽きません。

メンバーの誰よりも「たま」を愛し、周りの人を喜ばせることが大好きなその人柄が、

ステージ上でも滲み出ていました。


最後のライブで『さよなら人類』を演奏した時、何年振りかの「ついたー!」の掛け声に

会場は騒然でした。

満面の笑顔で「ついたついたよ、ヤッホー!」を叫んだ後のグッと涙をこらえたような表情に

石川さんの想いを見たような気がしました。


「たま」のこの曲が好きすぎる!

「たま」の曲は本当にいい曲ばかりです。

特に初期のアルバム『さんだる』と『ひるね』は屈指の名曲揃いです。


独断と偏見にはなりますが、僕が大好きな曲を紹介したいと思います。

もういい曲があり過ぎて、その中から選ぶというのはおこがましいと言うか、

どだい無理なことと言うか…。


それでもあえてやってみましたので、ご参考までにどうぞ。


それぞれのメンバーごとに、上位4曲ずつ選びました。

曲は全て、メジャーレーベルと自主レーベル(地球レコード)からで、

4人編成(通称「4たま」)時のものから選んでいます。

4たま時代にリリースされた滝本さんのソロアルバム『空の下』、

および4たまのベスト盤である『まちあわせ』からの曲も含みます。


気が付いたら、アルバム『ろけっと』からの曲が一曲もありませんでした。

いや、いいアルバムなんですけど、どうにも『さんだる』と『ひるね』が

好きすぎます…。

柳原さんのこの曲が好き!

4位 たかえさん 【収録アルバム:『犬の約束』】

知久さんのマンドリン演奏が映える一曲です。


いつもひとりぼっちのたかえさんをそっと見守るようなイメージでしょうか。

マンドリンの凛として優しい音が沁みます。

トレモロ奏法によるイントロ部分からして、すでに鳥肌ものですね。

曲の最後の4人でのコーラスを聴いてると、いつも涙が込み上がります。

3位 オリオンビールの唄 【収録アルバム:『ひるね』】

英語の歌詞が入ってくる、「たま」では珍しい部類の曲です。


オリオンビールの社長が気に入ってCMソングとして使いたいという話がありましたが、

「曲調が暗いから」という理由で社員から反対されてお蔵入りとなってしまった

有名な経緯があります。


この曲は、知久さんのマンドリンと滝本さんのベースのコントラストが最高です!

2位 さよなら人類 【収録アルバム:『さんだる』】

「たま」で最も有名な曲で、最もヒットした曲です。


発売当時は夢中になって聴いていましたが、今聴いてもやっぱり素晴らしいです。

石川さんの「ついたー!」が無い『さよなら人類』は考えられないです。


歌詞は非常に意味深で、環境破壊や核戦争を表現しているのではないかなど、

いろいろな憶測が入り乱れて話題になりました。

中学の頃に国語の先生が、授業中に真剣に歌詞分析してくれたのは嬉しかったです。


徳島県の「牧場の干し草倉庫」でのライブでのこと。

『さよなら人類』の間奏中に、石川さんがステージ後方の鉄の骨組みに上ったところ、

足を滑らせて落下し、全身打撲の怪我を負うという事故がありました。

少しでもズレたところに落ちてたら命の危険があったとか。

「さよなら石川さん」にならなくて本当によかったです。

1位 満月小唄 【収録アルバム:『きゃべつ』】

柳原さんの曲の中で、そして「たま」全体の曲の中で一番の名曲だと思います。


物悲しい、幻想的な詩と曲が絶妙に絡み合い、聴くたびに心の奥の部分を

突かれるような思いがして鳥肌が立ちます。

こんな曲は他に無いです。


1995年12月24日に開催された、柳原さんにとって最後の「たまでの」ライブ、

「たまのお歳暮’95」での「4たま」最後の『満月小唄』は、涙無くしては観られません。

知久さんのこの曲が好き!

4位 方向音痴 【収録アルバム:『さんだる』】

「たま」と知久さんの「さびしいソング」入門に打って付けの曲です。


歌詞は「さびしさ」とコミカルさが同居した受け入れやすいものになっています。

曲調も明るくて楽しげで、「たま」ってこんな独特で不思議な楽しい曲を作るんだ!

と、いつの間にか「たま」の世界に引き摺り込まれること請け合いです。


落ち込んだ時にこの曲を聴くと元気が出ます!

3位 金魚鉢 【収録アルバム:『ひるね』】

終始、「さびしさ」でいっぱいの曲です。


石川さんのリコーダーと足に付けた鈴が「さびしさ」をより効果的に演出し、

気が付くと息を止めて聴き入っている自分がいます。


よく言われるように、「たま」はライブでこそ、本領発揮をするバンドです。

演奏、メンバー同士の掛け合い、語り、パフォーマンス、全てが一級品です。

2位 らんちう 【収録アルバム:『さんだる』】

1989年11月11日「イカ天」初出場の1週目で演奏された、

「たま」を世の中に知らしめた曲です。


もう「たま」の代表曲と言っていい曲です。


他の曲でもそうですが、柳原さんの間奏時の語りがライブごとに毎回異なり、

今回はどんな語りなんだろうか?と、いつもワクワクさせてくれました。

1位 鐘の歌 【収録アルバム:『ひるね』】

柳原さんのオルガンソロの出だしから始まり、

知久さんお得意の「さびしさ」全開の曲です。


放課後、一人ぼっちで校庭や公園で遊んだ経験がある人なら、

きっと胸が締め付けられるような郷愁を感じるのではないでしょうか。


曲の最後の盛り上がり前に、間奏で知久さんが吹くハーモニカが絶品です。

滝本さんのこの曲が好き!

4位 夏の前日 【収録アルバム:『犬の約束』】

夢の中でのんびり過ごしていたかと思うと、急に目が覚めて現実世界に引き戻される…。

そんな性急さ、迫り来る不安に怯える状態を想像してしまう曲です。


楽しい夏休みが終わってもうすぐ登校日がやってくる。

宿題もまだ終わってない。

一日中じっと座って授業を聞かなくてはいけない、あの苦痛の日々がまたやってくる…。

小中学校の夏休みの終わりにいつも味わう、あの嫌な感じを思い出します。

タイトルは『夏の前日』なんですけどね😄

3位 むし 【収録アルバム:『ひるね』】

今よりも自分の自由な時間が山ほどあって、

それを持て余すかのように遊びに一生懸命だった子供時代。

時が過ぎて、あの頃の自分と今の自分を比べて絶望感すら感じてしまう。

そんな聴くたびに胸を締め付けられる一曲です。

石川さんが回す蝉笛の音がよりいっそうの郷愁感を醸し出しています。


最後のメンバーたちの高音のラララでフェードアウトしていく部分は、

子供時代が手の届かない遠い所に行ってしまうのを見送るような気分になります。

2位 海にうつる月 【収録アルバム:『ひるね』】

涙が出るほど美しい旋律と歌詞のコラボレーション。

ピアノを弾く柳原さんと、同時にオルガンを弾く石川さんの組み合わせが新鮮でした。


タモリさん司会のミュージックステーションで、石川さんがタモリさんに、

フリップを使ってこの曲の歌詞の説明を一生懸命していたのが微笑ましかったです。


「たま」最後のライブ、「たまの最期!!」では、オルガンの出だしを間違えて、

間違えた自分の手を叩いて怒る石川さんのパフォーマンスも面白かったです。


滝本さんの曲なのに、なぜか石川さんばかりが目立ちます😄

1位 空の下 【収録アルバム:『空の下』】

ソロアルバム『空の下』に収録されている曲ですが、4たま最後のライブ

「たまのお歳暮’95」で演奏されていました。

途中、あるフレーズを滝本さんが歌い損なうのですが、歌詞を忘れたのか、

感極まって声が出なかったのか、真相は謎です。


今ここにいて、僕が顔を埋めているこの人は、本当に存在しているのか?

そもそも存在とはなんなのか?

本当は、この世界にいるのは自分一人で、他は全て幻ではないのだろうか?


そういった、人の存在の危うさ、不安を感じさせ、切なくなる曲です。

石川さんのこの曲が好き!

4位 まちあわせ 【収録アルバム:『まちあわせ』】

1989年12月9日に放送された「イカ天」5週目、3代目グランドイカ天キングを

かけた最終戦で演奏されました。

簡素的な楽器しか使わない短い演奏で、おふざけソングかと思いきや、

最後に「ん?」と思わせるフレーズで締めくくる、とても癖になる曲です。


歌詞に出てくる神保町(というか小川町)の「顔のYシャツ」は、残念ながら、

2020年頃に閉店してしまったそうです。

3位 ウララ 【収録アルバム:『ひるね』】

イブではアップテンポで演奏されることが多く、

勢いがあって非常に気持ちがいい曲です。


パワフルなパーカッションとパワフルなボーカルを同時にこなす

石川さんがカッコよ過ぎます!


「~言葉を喋るオウム~!」

「○⚪︎○○○!!」

という、とあるライブでの石川さんとメンバーたちとの掛け合いが好きです。

2位 カニバル 【収録アルバム:『そのろく』】

この曲のテーマは、奇形、異形、異端でしょうか。

「たま」や石川さん自身を含めた、世の中の基準に

当てはまらないモノたちへの賛歌のように聴こえます。


柳原さんの崩れるようなピアノ奏法が、

この曲に不気味さと迫力を与えています。


映像では、石川さんが楽しそうにこの曲を歌い、

さらなる不気味さを与えてくれます。

1位 学校にまにあわない 【収録アルバム:『さんだる』】

石川さんの学校での経験や、学校や学歴に対しての見方・評価が

ないまぜになって作り上げられたような、シュールでカオスな世界が

展開されていく、約8分近くもある長曲です。


これまた『さよなら人類』同様、いろいろな考察がネット上に転がっています。


ビートルズのゲットバックセッションよろしくビルの屋上での演奏が素晴らしい。

間奏での石川さん渾身の語りは必聴・必見です。


「たま」のその後

2003年に、「たま」は惜しまれつつも解散しました。


しかし、解散後も、知久さん、滝本さん、石川さんはそれぞれの音楽活動を続けています。

もちろん、先に脱退した柳原さんもです。


ここでは、「たま」解散後のメンバーの動向について書いてみようと思います。

柳原さんのその後

実は柳原さんは、脱退の1年前から、「たま」の活動と並行してソロ活動を行っていました。


1995年1月には、シングル『みんなおぼえてる/ブルー・アイズ』でソロデビューします。

続く2月には、洋楽カバーのソロ・アルバム『ドライブ・スルー・アメリカ』をリリースしました。

そして12月24日の最終ライブ「たまのお歳暮’95」終了後に脱退します。


1998年には活動名を「柳原 幼一郎」から本名の「柳原 陽一郎」に変更しています。

いつか独り立ちした時は、本名でやろうという思いがあったのでしょうか。

柳原さんの決意と覚悟が垣間見えるエピソードです。


この年の4月22日には、3作目のシングル『きみを気にしてる』をリリースします。

脱退した後の「たま」に向けての、柳原さんからの決意と惜別の念を込めたメッセージのように

思えてならない内容です。

初めて聴いた時は、涙が止まりませんでしたね。


これに呼応するかのように、「たま」12作目のシングル『学習』が同年12月25日に

リリースされています。

知久さんから柳原さんに向けての返答のような内容に胸を打たれます。


2021年には、ピアノ弾き語りアルバム『GOOD DAYS』をリリースしています。

先に紹介した『きみを気にしてる』は、シングルと収録アルバム『長いお別れ』が

現在廃盤となっていますが、『GOOD DAYS』に新規収録されています。


そして2023年1月には、11作目のアルバム『COME ON』をリリース予定です。

詳細は以下の動画をご確認下さい。


現在まで、精力的に活動を続けられている柳原さん。

多くのミュージシャンたちとプロジェクトを組んでは、

ライブ活動をしたり曲を発表し続けています。

ブログやSNSで情報を発信していますので、以下にまとめておきます。

Yananet  歌手、柳原陽一郎のホームページです。
Yananetは歌手、柳原のホームページです。柳原のライブ情報、リリース情報などを随時アップしています。
SWEETSDELIRECORDS
歌手・柳原陽一郎のレーベル SWEETS DELI RECORDSのチャンネルです。



知久さんのその後

「たま」活動中から石川さんと参加していた「パスカルズ」でも活躍し続け、

全国を回ってソロライブも行っています。


2019年には、それまでのソロ活動で書き溜めた曲を、

『知久寿焼のうた その1〜いままでの音源ひとまとめ〜』

『知久寿焼のうた その2〜ほとんど弾き語り新録もの〜』

として、2枚のアルバムで発表しています。


知久さんと言えば大の昆虫好き、特にツノゼミに造詣が深いことで有名ですが、

その趣味が高じて、共著でツノゼミの本を出されています。

知久さんがそんなにハマるツノゼミって、いったいどんな昆虫なの?

そう思う方もいらっしゃると思うので、これを機に手に取ってみるのはいかがでしょうか。

僕も読みましたが、たくさんの種類のツノゼミが紹介されていて、とても興味深かったです。

僕の好きなツノゼミは、「ヨツコブツノゼミ」ですかね😁


知久さんのWebサイトやSNSは、以下になります。

知久寿焼website
◆ライブ情報◆♫ 時間料金表記:開場/開演 予約前売/当日 ライブ中の録音や撮影はご遠慮ください。 2024年1月6日(土)西永福 JAM 〒168 0064 東京都杉並区永福3 34 14 B1F ☎03 6304 7012NaNoMoR


滝本さんのその後

現在も、滝本さんはソロアルバム作成に力を入れつつ、ライブも積極的に行っています。

また、「たま」が設立した「有限会社たま企画室」の社長をされています。

自主レーベルの「地球レコード」も扱っており、「たま」やご自身、パスカルズなどの

CDやDVD、書籍等があります。


オススメは滝本さんの書籍『つづくこと つづくとこ』です。

初版の2010年6月時点での、滝本さんがこれまで書いた歌詞を、

イラストレーターのMurgraph(マーグラフ)さんの描いた絵と一緒に綴ったものです。

僕は初版の時に買ってますが、今でもふとした時に手に取って読み返します。

歌詞とて聴くのもいいですが、詩として読むとまた違った味わいが楽しめます。

今でも購入時に希望すれば、直筆サイン入りで入手できるようです。

地球レコード
ごあいさつ「地球レコード」は、バンド「たま」の自主レーベルです。 お知らせ 2023年10月18日郵便振替でのご注文の方は、現在『佐川急便扱いのゆうメール』で発送しているため、発送から到着まで土日祝を除く7~10日ほどの時間を頂いております


2023年は、自宅配信ライブなども予定していますので、

Webサイト等をチェックしてみて下さい。

最新作に、サウンドトラック『あんなに優しかったゴーレムの音楽』があります。


滝本さんのWebサイト、SNSは以下になります。

3g - 滝本晃司ウェブサイト
ライブ 学芸大学 APIA40「クリスマスライブ」今年もアピアでクリスマスです。 【ツイキャスプレミア ライブ配信】詳細はこちらをご覧ください。⇒ 視聴料金:2000円当日の配信に間に合わなかった方も後日購入してアーカイブをご覧頂けます。ア


石川さんその後

知久さん同様、「たま」活動中から「パスカルズ」に参加し、今も活躍されています。

ソロ活動や他のミュージシャンとの共演なども積極的にしているようです。


残念ながら現在では廃盤のソロファーストアルバム『おいしいうそがいっぱい』を始め、

他のミュージシャンとの合同ユニットでのアルバムも多数出しています。


また、コレクターであり多才な石川さんは、「たま」活動中の頃から書籍も何冊か出しています。

先に紹介した自伝的エッセイの『「たま」という船に乗っていた』を始め、

『すごろく旅行のすすめ―ニッポン桃源郷案内』、『イラスト図鑑 インスタントラーメン』

『すごろく旅行日和―だれもしらない観光地を歩こう!』、『おとなのなぞなぞ』など。

他に共著もあります。

しかし残念ながら、現在ではことごとく絶版となっています。


ただ、2019年に発売された『懐かしの空き缶大図鑑』は普通に買えますので、

まだ読んでいない方はぜひご一読下さい。


すでに紹介済みですが、やはり絶版中の石川さんの自伝的エッセイ、

『「たま」という船に乗っていた』の漫画版が好評発売中ですので、

まだ読んでいない方はぜひ読んでいただきたいです!


…と、思っていたら、なんと『「たま」という船に乗っていた』が再販されることになりました!

しかも、『たま』解散後のメンバーの動向なども加筆されている増補改訂版です。

これは買いです!!

発売は2023年3月頃になりますが、Amazonでは先行予約を受け付けています。


オンラインマガジン『DANRO』にも記事を寄稿されています。

石川浩司 | DANRO
1961年東京生まれ。和光大学文学部中退。84年バンド「たま」を結成。パーカッションとボーカルを担当。90年「さよなら人類」でメジャーデビュー。同曲はヒットチャート初登場1位となり、レコード大賞新人賞を受賞し、紅白にも出場した。「たま」は2...


他にも映画・舞台出演、テレビ吹替えやナレーションもされています。


石川さんのWebサイトやSNSは以下になります。

石川浩司のひとりでアッハッハー


「たま」活動中の2000年に石川さんがプロデュースした、アートギャラリー雑貨店

「ニヒル牛」は、東京都杉並区西荻窪で今も変わらず営業中です。

奥様の石川あるさんが店長をされていて、日によっては店番もされているようです。

個性的で素敵なアートがいっぱいですので、ぜひ一度お立ち寄り下さい!


「ニヒル牛」のWebサイトは以下になります。

ニヒル牛
西荻窪にある石川浩司プロデュースによるアートギャラリー、雑貨店。店番日誌、レンタル方式の紹介。

最後に イラストレーター羊子さんの紹介

今回、「たま」のことを書くにあたり、著作権問題を考慮して「たま」の写真画像は

使わないことにしました。


その代わり、イラストレーターの羊子さんが描き溜めた「たま」のイラストを

一部使用させていただくことになりました。

突然の申し出にも関わらず、快く許可をいただき本当にありがとうございました。


羊子さんは、アニメタッチのイラストの他、月や星などがテーマの「青」を基調とした

イラスト作成を中心に活動されています。

神秘的でメルヘンチック、まるで「たま」の曲のようにずっとそこに浸っていたいような、

そんな気持ちにさせるイラストです。


羊子さんのSNSは、以下になります。

羊子
pixiv
羊子 / yoko (@yoko_0013) • Instagram photos and videos
262 Followers, 172 Following, 73 Posts - See Instagram photos and videos from 羊子 / yoko (@yoko_0013)

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