人生とは山あり谷あり、どんな人にも浮き沈みはあるものです。
当時、特別養護老人ホームで介護士をしていた僕は、
意を決して仕事を辞めて、都内のとある社会人IT学校に通っていました。
学校での勉強は大変でしたが、ほぼインターネットとゲームだけのためにしか
パソコンを使えなかった僕にとって、ネットワークやサーバーの勉強をするのは
新鮮でとても楽しい経験でした。
学費は妻が貯金から全額負担してくれて、さらに僕が学業に専念している間、
国会図書館の本をスキャンするアルバイトをして生活を支えてくれました。
もう、今でも妻に足を向けて寝られないくらい感謝しています。
コロブン、あの時は、そして今もありがとう!
そんな大変だった時期、僕は少しでも妻を労おうと考えた結果、
下北沢のライブハウスに連れて行くことにしました。
演者はあの、元「たま」のメンバー、Gさんこと滝本晃司さんです。
えっ?
滝本晃司を知らない?
爺さん?
たまって猫のこと?
おいおい、そりゃないぜ不二子ちゃん!
という具合に、たまやGさんを知らない人がいると思うので、
非常にざっくり説明しておきます。
「たま」とは、1984年に結成されて、2003年に解散した音楽バンドです。
当時のバンドブームを招来した「三宅裕司のいかすバンド天国」、
通称イカ天に出演し、3代目グランドイカ天キングの座に輝いた
知る人ぞ知る実力派のバンドなのです。
途中、脱退した柳原幼一郎さん(現:陽一郎)が中心になって作曲した
「さよなら人類」という曲が有名です。
後の詳細はウィキペディアをご参照下さいm(_ _)m
「たま」は、今でも自分的には最高のバンドだと思っています。
周りのみんながTMNや布袋寅泰に夢中な中学時代、
こそこそと一人「たま」を聴き、その素晴らしさに唸っていたのを思い出します。
その「たま」で主にベーシストとして活躍していたのがGさんです。
奇抜な印象の強い他の3人に比べると(実力は3人とも最高レベルですが)、
気だるく甘い歌声と甘いマスクで独特の世界観を歌い上げる彼には
やはり女性のファンが多いですね。
最初はイロモノ的な目で「たま」を見ていた妻も、Gさんについては
一定の理解をしてくれていたようです。
その下北沢のライブハウスはトイレが舞台の脇にあるため、
トイレに行くときは壇上に上がる必要があるため、非常に気まずいです。
どうしてもトイレに行きたくなったため、Gさんに軽く会釈して
トイレに駆け込んだのはそれなりにいい思い出です。
「パルテノン銀座通り」でカッコよくハーモニカを吹くGさん。
「空の下」を感動的に歌い上げるGさん。
「日本でよかった」のイントロを何度も間違えてやり直すGさん。
まさに最高の時間でした。
演奏終了後は、家から持ってきたアルバム「空の下」にサインをもらい、
握手もしていただきました。
妻もそれなりに楽しんでくれたようです。
2010年12月25日クリスマスの出来事でした。
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