前回お話ししましたように、妻は視野障害を持っています。
具体的にどんな障害なのかと言いますと、普通の人より常に視野が極端に
狭くなっている状態です。
真正面以外の上下左右の景色が見えない、もしくは見えにくいため、
外出する時は慎重に歩行しなければなりません。
僕が一緒にいる時は、道幅や歩行者の有無にもよりますが、
なるべく手を繋いで移動するようにしています。
足元が特に見えにくいため、少しでも段差があったり障害物があると
すぐに転びそうになります。
手を繋いでいたので転倒するのを防げたこともしばしばです。
実際に外出すると、
「あ゛あ゛あ゛〜っ!!」
と、そばで聞くと心臓が止まりそうなくらい大きな悲鳴を
上げながらなんとか踏みとどまること数回くらいあります。
先日、島根県の松江市に旅行に行った時のことです。
松江城の周りのお堀沿いの歩道を歩いて松江駅に向かっていたのですが、
その時は道幅が狭かったため、妻は僕の後ろを付いてくるようにして
歩いていました。
「う゛わ゛わ゛〜っ!!」
途中、後ろを振り返って妻の様子を見ながら歩いていると、
突然、後ろで潰されたカエルのような悲鳴が聞こえました。
慌てて後ろを振り返ると、うつ伏せ状態で脇を締めて力強く
握った拳を地面に付けて倒れていました。
「う゛う゛う゛〜っ!!」
「ちょっと!? どうしたの!?」
僕は急いで駆け寄って妻を起こそうとしました。
どうやら、歩道のお堀側には柵がないため、お堀に落ちないように
慎重に車道側に寄って歩いていたら、段差がある所で足を踏み外したようでした。
柔道でよく見る亀の甲の姿勢の彼女を抱き起こそうとすると、
車道脇に止まっていた郵便車から、まるで柔道の山下泰裕さんみたいな
ガッチリした体型の郵便局員が、
「大丈夫ですか〜っ!?」
と、叫んで突進するように駆け寄ってきたのが怖かったです。
心配してくれているのに大変失礼な話ですが。
あの時の郵便局員さん、お仕事中にありがとうございました!
不幸中の幸いで、骨折等の大怪我はありませんでしたが、
地面に強く拳を押し付けていたせいで、両手指の関節部分の皮膚が
擦れて血が出ていました。
柵のない歩道、狭い歩道にはもっと慎重にならないといけないなと
感じた出来事でした。
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